吉田晴美氏、立憲民主党代表選で28票獲得の大健闘 – 女性議員としての挑戦と党内の複雑な事情

2024年9月23日、立憲民主党の代表選は、元首相の野田佳彦氏(67)の新代表選出で幕を閉じた。今回の代表選には、野田氏を含む重量級の男性議員である枝野幸男氏(60)、泉健太氏(50)らが名乗りを上げる中、当選1回で女性議員の吉田晴美氏(52)が挑戦。党内外で注目を集めた。

吉田氏は、第一回投票で最下位の4位に終わったものの、国会議員票では28票を獲得し、枝野氏(33票)や泉氏(29票)に肉薄する結果となった。また、党員・党友票においては泉氏と同数の26ポイントを獲得。推薦人の1人は「大健闘」と評価し、その健闘ぶりが党内で大きな話題となっている。

吉田晴美氏の挑戦 – 代表選立候補の背景

吉田氏は、航空会社の客室乗務員や証券会社での勤務を経て、旧民主党政権時代には小川敏夫法相の秘書官を務めるなど、多彩なキャリアを持つ人物だ。2021年の衆院選では、東京8区から出馬し、自民党の石原伸晃元幹事長を破り初当選。女性としての存在感を示した。

今回の代表選に立候補したのは、男性のベテラン議員ばかりが候補となることを懸念した若手・女性議員たちからの強い後押しがきっかけだった。しかし、立候補を表明するまでの過程は決してスムーズではなかった。立憲民主党の代表選には、国会議員20~25人の推薦人が必要で、同僚議員から20人分の署名を集めるのは容易なことではない。さらに、吉田氏は当選1回の新人議員であり、党内基盤も脆弱であったため、推薦人集めに苦戦した。

苦戦する推薦人集め – 江田氏との合意と野田グループの支援

代表選告示日である9月7日朝、吉田氏はようやく立候補を表明した。出馬に向けては、同じく出馬を模索していた江田憲司元代表代行(68)との候補者一本化の合意を成立させた。これにより、江田氏のグループおよび野田佳彦氏のグループから推薦人を得て、最終的に21人の推薦人を確保することに成功した。

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しかし、推薦人リストには野田グループからの議員も名を連ねていたため、吉田氏の国会議員票が推薦人の数を下回る可能性も危惧されていた。事実、野田氏の側近であり、吉田氏の推薦人名簿に名を連ねた玄葉光一郎元外相は、フェイスブックで「名義貸し」であったことを明言していた。彼は「吉田氏陣営からの要請を受け、代表選の構図全体を考えて推薦人になる判断をした」とし、自身の支持はあくまで野田氏であることを公言した。

このような事情から、吉田氏が推薦人を確保するまでの道のりは決して平坦ではなく、党内の複雑な力学が絡んでいたことが伺える。

国会議員票28票の意外な健闘

代表選の投開票が行われた東京都内のホテルで、結果が発表された後、吉田氏は「結果は結果だが、大きなスタートが切れたのではないか」と述べ、今後の党内での活動に対して前向きな姿勢を見せた。最終的には、国会議員票で推薦人の数を上回る28票を獲得し、選対本部長を務めた中川正春元文部科学相は「思った以上に議員票が来た」と述べ、健闘を讃えた。

また、推薦人の1人である塩村あやか参院議員は、吉田氏の国会議員票が伸びた理由について「若手や女性議員の中には、表立って支援を表明できなかった者もいた」と分析している。さらに、彼女は「吉田さんが挑戦したことで、党の『多様性』を示すことができた。自民党の総裁選との比較においても見劣りしなかったことは大きい」と語った。

党内の多様性と吉田氏の今後

立憲民主党の代表選は、男性のベテラン議員が中心となる中、吉田氏が挑戦したことで、党内外に多様性の重要性を示す場となった。吉田氏は、今回の代表選で「呉越同舟」とも言える複雑な状況に立たされたが、それでも国会議員票で28票を獲得し、党内での存在感を示した。

今後、吉田氏がどのように党内での影響力を拡大し、女性議員としての役割を果たしていくのか注目される。立憲民主党が、多様性と世代交代をどのように実現していくのか、その動向が問われることになるだろう。

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