インドは、今年度末に現在行われているディーゼルとガソリンの輸出制限を延長する計画だ。これは、精製燃料の国内市場への供給を確保するために行われるものである。この措置は、ロシアの燃料などを購入して輸出する主に私企業の一部のインドの製油所には、黒字が計上されているため、ロシア産の製品の購入を控えるかもしれない。世界第3位の原油消費国であるインドは、昨年、精製燃料の風調課税を導入し、企業に対して、今年度中に輸出するガソリンの50％相当とディーゼルの30％相当の商品を国内市場で販売することを義務付けた。この方針は、インドの民間企業であるリライアンス・インダストリーズやナヤーラ・エナジーが国内市場での販売よりも燃料の輸出増加によって大きな利益を上げていたため、発表されたものである。これに対して、国営石油企業が品不足を補い、政府が定めた下限価格で燃料を販売することに迫られた。今回、インドの石油・商務省はディーゼルとガソリンの輸出制限を今年度を超えて続けることを検討しており、官僚筋は「私たちはそれを延長したいと思っています。どうしてすべてのインドの製油所がロシア産の割安な石油を購入しているのに、国営企業だけが損害を被る必要がありますか」と語っている。
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この度のニュースに対し、ロイターによるとリライアンス社の株価は最低値を更新し、インド政府は石油省にコメントを要請したが、返答は得られていない。また2つのトレーダーは、東西間の運賃が値上がりし、供給過剰のディーゼル市場には当面、影響を及ぼさないと予想している。しかし、ミドルイーストやアジアの供給がこれまでよりも少なくなることによって、インドの製油所からの輸出が大幅に変化することはないという意見が多いと伝えられている。
一方で、国内の燃料需要に対し需要増加に追いつかずに、インドの国営石油企業のプロフィットはマイナスに転じてしまった。国営のインド油田公社、バラット・ペトロリアム、ヒンドスタン・ペトロリアムの3社は、昨年12月までの9ヵ月間で、政府の下限価格での販売により、計1862億2000万ルピー（22億5千万ドル）の損失を計上した。一方、ロシアの石油大手であるロスネフチ社がバックにいるナヤーラ・エナジーは、純利益623億ルピーを上げた。
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インド政府高官は、「インフレが依然として高く、この時期にガソリンやディーゼルの販売割合の規制を解除することは必要ない」と発言した。インドの年間小売り物価上昇率は、1月には3か月ぶりに、準備銀行の上限を超える6.52％となった。
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