米国財務省は、電動車に対する税額控除のルールを厳格化することを発表した。新たな要件は、4月18日以降の自動車購入分に適用されるもので、EVバッテリーの供給網における米国の中国依存を減らすことを目的としている。また、このルールは、ジョー・バイデン政権が2030年までに米国の新車販売の50%をEVまたはプラグインハイブリッド車にするという目標の一環でもある。
新たなルールでは、重要な鉱物資源やバッテリーコンポーネントの調達に関する要件が設けられ、北米で製造された自動車にのみ対象の税額控除が適用される。EVの最大数において、70%を超える車がこのルールの対象となり、一部の車種は税額控除が削減されることになる。また、このルールは、4月18日より前に購入されたEVには適用されないことになっている。
米国自動車産業連盟のCEOであるジョン・ボゼラは、このルールによって多数のEVが税額控除の対象から外れることになるため、ほとんどのEVに対して最大$7,500の控除が適用されなくなるだろうと発表した。また、北米で組み立てられたEVに対する要件も控除の対象から外され、適用される車種が減少することになる。
米国上院エネルギー委員会の民主党委員長であるジョー・マンチンは、財務省がこのルールを作成する際にIRA(インフレ抑制法)の趣旨を無視していると非難した。また、外国の製造業が税金を得ることを許すことは中国を拡大することになるとし、財務省に対して訴訟を起こすとも発表した。
一方で、フォードは2月に、中国のCATL社の技術を利用してミシガン州にEVバッテリー工場を建設するとの発表をしている。また、共和党上院議員のマルコ・ルビオは、中国の技術を使用したEVバッテリーに対する税額控除を停止する法案を提出し、中国企業が恩恵を受けることを阻止することを求める声明を出した。これに対し、財務省は「関係する外国のエンティティ」に関するガイドラインについては、2024年に適用される予定だとして、現時点で策定されないことを発表した。
提案されたガイドラインに関する公開コメントは、6月中旬まで受け付ける予定だ。このルールによって、アメリカのEVバッテリー産業の成長を促し、中国や他の海外での生産に依存しないEV産業を確立することが目指されている
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