欧州連合(EU)執行部は、2028年5月31日までモータービークルブロック除外規制(MVBER)が適用されることを月曜日に発表した。この2010年の規制は、今年5月末に期限が切れる予定だった。一般的な状況では、EUの反トラスト規制は、生産や流通チェーンの異なる企業間で競争を制限する合意を禁止している。
ただし、MVBERは、流通の改善、技術進歩の促進、得られた経済的利益の一部を消費者と共有するなど、特定の基準を満たす限り、このような合意を可能にする。さらに、EU委員会は規制に関するガイダンスを更新し、独立した修理業者が車両センサーによって生成されたデータに平等にアクセスできるようにした。
自動車産業に対して、流通業者、スペアパーツ販売店、修理ガレージとの合意を自由に結ぶためのルールを5年間延長することは、一部の業界関係者から歓迎されるものだ。しかしながら、車両データの共有が明示的に盛り込まれるのは初めてである。
これにより、独立した修理業者は車両メーカーが提供するデータにアクセスでき、修理業界にとっては公正な競争環境が整う。MVBERは、自動車業界にとって重要な規制であり、表向きは競争環境の改善を図るものである。
一方で、MVBERに関しては批判の声もあがっている。自動車産業に自主規制を任せているとの指摘があり、競争原理に反する危険性も指摘されている。しかしながら、EU委員会は帰趨を見守るとともに、競争原理と消費者の利益を確保するためにMVBERの適切な実施を推進していく考えだ。
今後、自動車産業にとってはデータ共有などさらなる規制強化が進む可能性がある。また、自動車市場に進出する新興企業にとっては、競争環境が改善されることになる。MVBERによる規制には賛否両論があるが、自動車産業にとっては今後も注目される課題と言える。
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